データサイエンティスト ・ 新卒入社
J.Y.
野球のキャッチャー経験を、人と向き合うデータ分析の仕事につなげた。
就職活動で見えたもの
秋田大学大学院の博士課程では理工学を専攻し、当初はポストドクターとして研究を続けるつもりだった。方針を変えたのは、任期制の不安定さと、結婚を見据えた生活設計を考えたことがきっかけだったという。民間就職を決めたのは博士2年の終盤と、周囲に比べて遅いスタートだったが、その分「自分がどこで活躍できるのか」を知るために、ゲームデザイナーや研究開発、不動産営業など業界を絞らずに幅広く受けた。
結果的にデータ分析の業界に惹かれていったのは、技術的な適性だけでなく「人との相性」だったという。面接で学生時代の野球の経験――キャッチャーとして打者のデータを読み、攻め方を考えていた話――をすると面接官の反応が良く、話していて楽しいと感じる相手が多かったことが決め手になった。最終面接で、当時の社長から「人と話して課題を抽出できる人材を求めている」と言われたことも、自分のやりたいことと一致していた。
データ分析を専門とする同業他社から内定をもらったこともあったが、面接の場でかなり高圧的な態度を取られたことに違和感を覚え、辞退したという。技術的な適性だけでなく、一緒に働く人たちとの相性を大事にして会社を選んだ、本人らしい判断だった。
入社後、最初に任された仕事
2024年4月に新卒入社し、7月からのOJTでは生命保険会社向けの案件に配属された。生成AIを使った手書き文字のOCR精度検証という一つのテーマを、検証設計から最終報告まで一人で担当することになり、「お客様にどう話せば伝わるか」を初めて自分の頭で考え抜いた経験になったという。
同じ時期には、新しく入ってくるデータアナリストの研修運営の支援にも携わった。新卒1年目でありながら教える立場に回ることになったが、どこでつまずきやすいか、専門用語が多い中でどう見せ方を工夫するかを考えた経験は、今も資料作成に生きているという。もともと大学時代には数学の教員免許(専修免許)を取得しており、人に教えること自体は昔から得意だったと振り返る。
転機になった経験
2025年4月から現在は、大手ITベンダーを介してエンドクライアント企業のデータ活用を支援する案件に携わっている。ベンダー企業の担当者とエンドクライアントの双方と関係を築きながら案件を進める、社内でも珍しい三者間の立ち位置だ。初めてのこの形に人間関係の調整の難しさを実感したというが、その経験を振り返ったことで「お客様との調整の仕方」を学び、プロジェクトの進め方そのものが洗練されていったと話す。
研究者としての姿勢が活きる場所
入社前と比べて最も変わったのは資料作成の考え方だという。「情報を並べればいい」という発想から、まずミーティングの目的を定め、事実・解釈・提案の順で筋道立てて伝える構成を意識するようになった。これは研究で学んだ、客観的な事実から解釈を積み上げる姿勢がそのまま活かされている部分でもある。
提案活動にも関わるようになり、エンドクライアントへの提案がコンペで採用され、その評価が社内の別部署への提案依頼にもつながった。2026年6月には入社3年目でチームリーダーに昇格している。
後輩へのアドバイス:自己分析の深め方
就職活動を控える学生に向けては、「自己分析」のやり方そのものを深掘りすることを勧めている。「コンサル向きかもしれない」といった表面的な適性判断で終わらせず、自分がどんな時に積極的になれるか、どんな会話に心が動くかを、日々の些細な行動の中で観察してみるとよいという。実際に自分自身も、人と話していて気分が上がる瞬間を振り返りながら「人と話すのが好き」という自分の軸を見つけていった。この自己分析は就職活動だけでなく、入社後に案件や役割を選ぶ判断基準としても使い続けているそうだ。
これから
「数理的な思考に加えて、お客様と話すのが楽しいと思える人がもっと増えてほしい」と話す。データ分析の結果を説明するだけでなく、お客様から出てきた新しいニーズに「ぜひやりましょう」と踏み出せる人を、同僚として増やしていきたいという。